MBOについてについての補足

以前に自分が書いた「MBOについて」という記事を読み返していたところ、稚拙な文章に赤面するにとどまらず、少し間違っているというか、理解に乏しかったところがあったので、補足することにしました。

記事中に

理論的には、MBOなんぞしなくても、自社のキャッシュフローを担保に借り入れを行い、自社株買いをするのと変わらない気もするのですが、ファンドの信用が上乗せされることで、借り入れの金額が大きくなるのかもしれません。

なーんて偉そうに書いてあるんですが、これが違う。論理的に、LBOに伴う借り入れは、対象会社が単独で借り入れをおこすよりも、多くの借り入れが可能になるのです。


からくりは簡単なんですが、一般的なLBOにおいては、①SPCを設立し、②そのSPCが金融機関から買収資金の借り入れを行い、③SPCが対象会社を買収し、④最後にSPCと対象会社が合併します。

で、上の引用部分を書いたときはうっかりしてたのですが、③の段階において、買収金額と対象会社の純資産の差額がSPCに営業権として計上されます。するとどうでしょう、④で合併したときに、営業権も当然残るわけです。

するとつまり、対象会社のもともとの純資産を超える金額のLBOローンを組んでも、営業権のぶんだけ資産が増えるわけですから、債務超過にはならないわけなんですね。あとは、営業権の償却よりもはやく、返済をすればいいわけです。


このことは、見方を変えると、MBOファンドによる買収価格の決定によって、対象会社の営業権評価についての客観性が担保され、資産性が生じるため金融機関が融資することができる金額が増えると言い換えることもできるかと思います。
ということは、上でいう「ファンドの信用が上乗せされることで」という点は感覚的にはいい線行ってるともいえます。


さすがおれ、ということで。今日はこの辺で。