新興市場の詐欺的状況について

昨日ドリコムさんの第3四半期の決算が発表されたわけですが、、
http://www.drecom.co.jp/ir/library/20070208.pdf
88百万の赤字です。

平成19年3月期の予想が売上15億、経常4億ですから、達成は絶望的と考えていいのではないでしょうか。。
まあ、会社経営は大変な仕事ですから、ある程度の乖離は納得するのですが、そうはいっても固めに予算を作成してその必達に心血を注ぐのが、複数投資家から資本を集める上場会社役員の務めはずです。しかも、しかもしかもドリコムさん上場して最初の決算でしょ?つまり、上の予想利益を記載した目論見書をもってイニシャルの公募をされたわけですよ。それを舌の根も乾かぬ最初の決算でいきなりの下方修正というのは、これはもう詐欺と断定されても文句はいえない体たらくではないでしょうか。。


と、のっけから妙に手厳しいことを書きなぐりましたが、まだ第4四半期は残されており、予算達成の可能性はゼロではないわけで、かつ、個人的にとても期待している会社さんでありますので、是非とも頑張っていただきたい次第でございます。


ところで、新興市場の会社らの現状は、ドリコムさんのみならず減収・減益、又はそこまでいかなくとも明らかに成長が鈍っている企業が散見されます。
こういった状況をみて思うのは、多くの会社がやはり、一昨年までの新興市場の株価高騰を背景とした成長戦略というか、予算組みをしていたのだろうなあ、ということです。株価が高騰していれば、多額の資金を調達して、数字を作ることもできますし、それこそ自社株を自社の売上に還流させたりと、やりようができてくるわけです。

IT系の新興企業の投資ファンド設立は一時ほぼブーム化しましたが、そこに依存した会社の現在は間違いなく減益の一途でしょう。極端にM&A及びそれによる金融部門の拡大に偏重した楽天もまた然りです。


これを虚業といってしまえば、確かにそうなのかもしれませんが、そもそもの始まりは新興企業に対する過度の期待であり、投資事業というのはその過度の期待を用いて、過度の期待と本業との成長格差を埋める方法であったわけです。まあよく言われることではありますが、虚業を産んだのも、虚業を育てたのも投資家自身と。


おそらく、しばらくの間新興企業には冬の時代が訪れると思うのですが、冬のうちにどれだけ体力を蓄えることができたかで春がきたときのスタートダッシュに差がつくわけで、積極的な投資活動、特に本業強化のための同業種とのM&Aなんかには期待してみたい今日この頃であります。