原油高

いいグラフですねえ。

こちらはいい記事です。
http://tameike.net/pdfs8/tame393.PDF

かかる石油価格の乱高下は、多くの不条理な歴史を残してきた。この点について、最新
号の“Foreign Affairs”誌が”Blood Barrels”(マイケル・ロス・カリフォルニア大学准教授)という興味深い論文を掲載しているのでその要旨をご紹介しよう。
・1992 年当時、世界の紛争の5分の1が産油地域で起きていたが、今やその比率は3分の1へと上昇している。産油地域の国内には内戦を誘発するような構造が存在する。
OPEC 加盟国のほぼ半分において、30年前と比べて2005年の方が暮らし向きは悪くなっている。つまり、石油に国が呪縛されている。
・「石油の呪縛」には、①資源輸出が通貨価値を押し上げてしまう(オランダ病)、②唐突に歳入が潤ってしまう、という面がある。効率よく統治されていない産油国では、デタラメな財政支出により結果的に問題を抱え込むことが多い。また、歳入増は政治腐敗を蔓延させ、独裁者の権力基盤を強化し、民主基盤を押しつぶしてしまう。
・最近の石油高騰により、新たな紛争が助長される。産油国で国内紛争が起きる危険は、非産油国に比べて2 倍も高い。石油の富が紛争の引き金となるのは、(a)原油価格の変動に伴う経済の不安定化が、政治の不安定化を呼び込む、(b)石油の富が反政府武装勢力を煽り立てる、(c)石油の富が分離主義を助長する、などのパターンがある。
・新たな産油国の多くは、アフリカ、カスピ海周辺、東南アジアにある。ほぼすべてが非民主的な国だし、ほとんどが貧困国で、突然大規模な資金が流れ込んできても、それを上手く管理できる体制を持っていない。内戦が起きれば、貧困から脱するチャンスは潰されてしまう。

未熟者が金を持つと不幸になるんですね、わかります。