スチュワーデスさんの職業的倫理観とサービス業の話

梅田伊津子さんにお話をうかがっていただきました - S嬢 はてな
昨日あまりにも似たようなことがあったので、つい書きたくなってしまった。

昨日ちょっと3歳の息子を連れて飛行機に乗ったわけだが、これがまたシートベルトを嫌がって大変だったという話。

たぶん彼としてみれば、疲れてたし、眠かったし、なによりおれに無理やりシートベルトを締められたのが嫌だったのだろうが、そんな理解を示している場合ではない。

スチュワーデス(最近はCAというの?)が次から次へやってきて、おれにシートベルトを締めさせろと言ってくる。

CAから詰め寄られたのと、息子に対しても「このやろう嫌だろうがなんだろうが仕方のないときはあるんだ」という苛立ちから私は無理やりシートベルトを締めて、無理やり押さえつける方法を選んだ。

たぶん選択として間違っていたのだろう。彼は本当は話してわからない相手ではない。しかし一度選択してしまったからにはやりとおさねばならない。離陸をはさんだ10数分の出来ことだったわけだが、まさに地獄だった。

私に押さえつけられている子供も相当辛いのだろうが、周囲から「うるせー」的な無言のプレッシャーを受ける私の立場も結構なものだったと自負している。前の席のおっさんはあんなにしょっちゅう振り返ってまで何を確認したかったのか(被害妄想)。


離陸後、機体が安定したあと問題は即時解決したわけだが、その後のCAさんたちの気遣いは実に良かったと思う。

どのくらい良かったかというと、子供に対する手紙(当然字は読めない)という体裁で、我々両親を褒めちぎってくるという気の回しようだ。

しかも1人ではない。覚えている限り3人くらい、そうした最大限の気遣いを見せてくれた。


これらは果たしてこの3人の女性がたまたま個人的に持ち合わせていた優しさの結果なのだろうか。以前に、優しさとはスキルであるという話をまさにおんなじブログで読んだ。まさにそのとおりだと思った。自然にできる気遣いなんてそんなに多くない。経験して、意識してはじめてできるものだと思う。

とすれば、私がCAという職業について、優しさというスキルを職業的に与えられた人たちだという感想を抱くことに不自然さはあるまい。個人的な優しさを否定するつもりは毛頭ないが、CAという仕事における職業的倫理観や、サービス業の最高峰であるという誇りがプラスに作用しているであろうということを言っている。


果たしてそういう人たちが障害児がうるさかったくらいで突然警察を呼ぶだろうか。少なくとも昨日会ったひとたちがそういうことをするとは夢にも思えない。

いや、航空会社による、といわれればそれまでなわけだが、もし本当にそういう航空会社があるのなら*1、サービス業として最低だろう。機体の減価償却と燃料代などの原価以外の対価を顧客に請求するべきではない。

ちなみに私がのったのはJALです。

*1:少なくとも個人を責めるべきではない。対応は会社としての方針と思ったほうが自然だろう。