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損害賠償請求ビジネス

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痛いニュース(ノ∀`) : 【韓国】 元慰安婦の「対日損害賠償請求権」を他人へ譲渡可能に - ライブドアブログ

もしこれが可能なら、SPC(カラ会社)を設立してそこに損害賠償請求権を譲渡し、同SPCが証券を発行することで、損害賠償請求権を証券化することができる。

世界的な景気後退、需要の減少、投資機会の不足といった諸問題を解決する新たな投資対象、それが損害賠償請求権。

背景は、元記事の対日賠償請求に加え、食品偽装やなんとか電池の爆発など相次ぐ不祥事。それらに集中的に投資を行い、主にリーガル面のマネジメントを集中して行うことで、リターンを狙うのだ。


具体的に見ていこう。まず話の中心となるのは、(株)謝罪と賠償アドバイザリーといったようなアドバイザリーの会社だ。同社は主に弁護士によって構成され、同社が運営するSPCやファンドに対し、そのSPCやファンドが買い取った損害賠償請求権の管理についてのアドバイスを行う。

実際、ライブドアショックのときなどは、弁護士主導で”被害者の会”のようなものが設立されたと記憶しているが要はあれと似たようなものだ。大きな違いは、被害者からその賠償請求権を「買い取る」点にある。

同社は、企業の不祥事をつぶさにチェックし、その被害者に営業をかける。被害者本人が気がついてもいない損害賠償請求権を発掘し、社会に還元することがこの会社のひとつの付加価値だ。当人が気がついていないものも含めれば、潜在的な損害賠償マーケットはかなり膨大だと推察する。それらを投資対象として顕在化させるわけだ。

営業活動に際しては、その損害賠償請求権の行使、我々にお任せいただけませんかと切り出し、集中的に損害賠償請求権を管理することで企業側との交渉力が高まるとか、どうせ法的な手続きは専門家に委託せざるを得ないとか、あることないこと言って、最終的には10%とか20%とか場合によってはそれ以上のディスカウントレートで、損害賠償請求権を買い取るのだろう。当然買い取り金額の提示においては専門性が発揮されることになる。並み居る競合を振り落とし、高収益債券を落札するには、なるべく高額のBIDを提示する必要があるからだ。


当然、SPCが損害賠償請求権を買い取るにあたっては、資金を調達する必要がある。調達にあたって活躍するのは当然投資銀行だが、ポイントはマーケットの大きさと件数の多さだ。

悪い点ばかりが取り上げられるサブプライムローン証券化スキームだが、非常に理にかなっているのは、複数の債権をひとつにまとめることでリスクを平準化し、さらにそれを細分化して投資家に販売することでリスクの分散を大規模に行えることだ。これらによって投資家のリスク管理は革命的にデジタル化することになる。ただそれにかまけて、サブプライム層への融資に資金を突っ込みすぎた点こそが、件の問題の教訓なのであって、証券化自体が悪の権化のように扱われるべきものではない。

思うに、損害賠償請求権は潜在的なものを含めば非常に大きな規模のマーケットになり得る*1し、それぞれの絶対額は小規模のものも多く、かつリスクも均一化されないので、意外と証券化に向いていると言えなくもないこともなきにしもあらずかもしれない*2


そうして合理的なリスク評価モデルがワークし、セカンダリーのマーケットも用意できれば、ファイナンスはそう難しくない。

もしそうなったら実に瓢箪からコマだが、近い将来損賠償請求バブルが起こったりするかもしれない。当アドバイザリーファームは家電系及び化粧品に特化した損害賠償の専門家集団です、とか言い出す会社なんかも出来たりしたら、結構笑える。

追記

コメントしていて若干気になったのでちょっと調べてみたw
譲受債権請求事件が参考になる気がする。

損害賠償請求権とはつまり、あくまで請求する権利なわけで、債務者側はまだ債務を認識していないわけだから、その譲渡は基本的に将来発生する債権の売買予約ということになるのだろう。

とすると、その場合でもどうやら「債権譲渡の予約にあっては、予約完結時において譲渡の目的となるべき債権を譲渡人が有する他の債権から識別することができる程度に特定されていれば足りる」ようだ。

○○に対する××に基づく一切の債権というように特定すれば、意外といけるのかもしれないと思った。

ただ、譲受側が、第三者対抗要件を充足して、自らの(譲り受けた)権利の正当性を担保するのは結構大変そうだ。将来債権だから当然契約書なんかもないわけだし、譲渡人とその譲渡人に発生した損害賠償請求権の原因となる事象を紐づけるのも並大抵ではない。いちいち裁判にもつれ込んでたら、業としてやるにはリスクが高すぎる印象。

まあ、無理だなw

*1:面倒なので調べてないが・・。

*2:まったく自信はない。