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はてなアイデアってなにこれ

製品・サービス

過日はてなブックマークのタグの整理に着手し目下取り組み中のワタクシではあるが、今度はダイアリーのカテゴリーを整理したくなってきたのでその方法を検討していたところ、ダイアリーにはブックマークタグのような一括編集機能が備わっていないことが発覚し、これでは手間がかかりすぎると思い至り、ここはひとつ要望を出してみようと先日噂を聞いた「はてなアイデア」なる機能に初めて足を踏み入れてみたという話。

10分くらい機能説明を眺めての感想としては、「これはひどい」。
で、以下にたまった文句をはきだしておく。もしこの記事に賛同が寄せられたら、その事実を添えて、はてなに問い合わせするのだ!


まず、ユーザーの根本的な目的は、要望した機能が実装されることにある。なにがどうなると実装されるのかがわからない限り、こんなめんどくさいしくみに乗っかるインセンティブがそもそもない。10,000アイデアポイント以上ではてなポイントに交換くらいあってもいい。試験中とのことだが、一体いつまで試験中で通すつもりなのか。機能要望や不具合の指摘は、どう考えてもサービス運営上の肝となる機能である。

はてなアイデアは、仮想的な市場の仕組を使って、ユーザーの皆さんから要望や不具合報告を効率的に頂くことを目的とした試験的サービスです。

当サービスをご利用の場合は、サービスが無くなったり、アイデアポイントが消滅する可能性がある点をご了承頂いた上でご利用ください。

はてなアイデア


次に、実装の判断が結局はてな側の独断と偏見によって決まるのであれば、そもそも市場取引の仕組みを活用して、それぞれの要望をプライシングする意味がわからない。ちなみに、時価総額ランキングとしてアイデアポイントを多く持つユーザーが紹介されているが、それを言うなら時価総額ランキングではなくて、保有資産ランキングだろ常識的に考えて。アイデアのランキングがない*1のも意味がわからない。

はてなでは、各アイデアの時価総額などを参考にしながら新機能の追加や不具合の修正を行います。

はてなアイデア


それから、実装されるとポイントが配当されるらしいが、これがどうやら実装に際してのはてなの労力を基準に倍率が決まるらしい。つまり市中の取引におけるプライシングはその要望に対する需要で決まる一方で、EXIT時点のプライシングだけコストベースでなされるというアンバランスさ。これでは市場とは呼べない。上場会社が買収されて非上場化するときに、その買収価格がいきなり時価を無視した純資産ベースのバリュエーションだったら既存株主が文句を言うのと一緒。少なくとも最終取引価格で、普通に考えれば若干のプレミアム*2を乗じて買い取るべき。そうでない限り、是非実装して欲しい要望の株を頑張って大枚はたいて購入したところで、実装されると必ず損をすることになってしまう。そしてこのことが意味するのは、ひとりのユーザーが出せる要望の数が限定されるということだ。そんなバカな話があるか。

アイデア採用時の配当倍率(一株あたりの配当ポイント)は以下を参考にはてなが設定します。

0倍…却下
1倍…他の方法
1.5倍…数時間未満(単純な文言修正など)
2倍…0.5人日未満
3倍…1人日未満
4倍…5人日未満
5倍…5人日以上
※人日…1人の開発者が1日間作業を行う場合の作業工数の単位です。

※株数 x 配当倍率が小数になった場合は、小数点以下を切り捨てたポイントが支払われます。

はてなアイデア


大体からして、最高の倍率は5倍のように見受けた。ベース価格はすべて1ポイント/株らしいので、1株あたり最大5ポイントの配当があるのだと理解した。ところが、軽く見渡しても6ポイント/株以上で取引されている要望もある。これでは取引としてどう考えても元がとれない。つまり、これでは購入を検討するに際して考慮べき理論的なフェアバリューが、5ポイントを上回ることがありえない。そういった状況では、投資家心理としてバリュー投資というわけにはいかず、短期的な仕手戦のようなマインドで挑むことになる。意味不明。普通の会社株式について、購入の対象たる会社の資産や将来収益の全部または一部を究極的には所有できるという担保がない限り、誰が株など買うだろうか。短期的な資金作りのみに着目した仕手筋くらいのものである。


また、発行が1000株を超えた場合、既存株主からの譲渡、つまり相対取引で株を買わなければならないそうだが、その既存株主が要望を手放すという行為が概念的にどういう意味を持ち、どういったインセンティブがあるのかよくわからない。売り手にインセンティブがない限り、需給関係など成り立ちようもないのだから、マーケットプライスはひたすら上昇の一途を辿るしかない。そこに一体どのような面白みが見出せるというのか。そもそも、既存株主が売却の意向を示さなかったり、既存株主の要求するアイデアポイントを持ち合わせなかった場合などは、新規のひとは要望を出すことすら叶わないのではないか。これはもう便利とか便利じゃないとかの次元ではない。

発行済株式が1000株に達したアイデアの株式は、0.00〜100.00の範囲内の任意の価格で売買が可能となります。

株式を購入したい場合は、購入したい株数と1株あたりの価格を指定して、購入注文を行ってください。購入注文の際に入力されたコメントは、売買が成立した後に履歴欄に表示されます。

既に保有している株式を売却するには、売却したい株数と1株あたりの価格を指定して、売却注文を行ってください。

はてなアイデア


総括すると、はてなのスタンスとして、いいアイデアを効果的に、つまり手間暇をかけずに*3発掘したいという意図こそ透けて見えるものの、その貴重なアイデアをカネを払ってまで、つまりユーザーにインセンティブを与えてまで取得したいという気概がまったく感じられない。それであれば、あまりに自分勝手な仕組みである。

しかも、さっき見た限り、一番多いタグは「不具合」である。何故カネを払って*4利用しているサービスの不具合を指摘するのに、このような洒落っ気たっぷりの枠組みに従わなければならないのか。せめて不具合の指摘はわけろよ。

どういうことかねこれは。

*1:あるのかな?見つからなかった。

*2:企業買収だったら30%程度が相場か。

*3:寄せられた機能要望ひとつひとつに目を通す手間さえ惜しもうというのだから、開いた口が塞がらないが。

*4:カネを払ってるのは私。一般論ではない。私は大した意味はないのになぜか有料オプションを利用している。