ライブドアのソニー買収ネタについて

いやなにかひょんなことから過去にあったホリエモンがソニーを買収しようとしてた話の解釈をめぐっての揉め事が再び取り上げられていて、ちょっとこれについて思うところを書いておこうと思うのだけれど、そもそもホリエさんの構想というかただの妄想を、経営的に評価しようという発想にそもそも無理があると思うのだよね。

ライブドアがやってたビジネスというのは基本的に、それらしい妄想を騙って株価を吊り上げ、売り抜けるということだけだから、ソニー買収とか言うのもどう考えてもその一環なわけで、そこには評価できる具体性も実現可能性もビジネスとしての尖った発想も何もないというのがむしろ当然なのだ。

わかるかな。彼らが気にしていたのは涎を垂らしながら株を買い漁る個人投資家に対するウケの良さなのであって、ビジネスとしてどうとかこうとか言うのは単なる客寄せパンダなわけだ。バカな個人投資家にウケようと思うと、必然的にバカバカしい発想が中心になるわけだが、それが彼らにとっての合理性なのである。そうして株価が吊り上がれば、それが他社株であればもちろん、既に周知の通りそれが自社株であろうと自社の収益に還元するスキームを有していたわけだから、まったく思惑通りということになる。

インターネットとメディアの融合なんていうのもまさにそうだったし、プロ野球のときもそうだった。セシールやらJACやらなにやらかにやらいろんな企業を買収してはインターネットとの融合みたいな夢想を吹聴していたが、いったいひとつでも成功した事業があっただろうか。いや、確かに株価としては成功しているが、事業としてである。いつも買収が発表された途端に間抜けな投資家が期待感とかいって株を買いまくるものだがら、その裏でライブドアは株をさっさと売りさばき一儲け済ませることができるわけで、現場の経営などはもともとの役員などにまかせっきり、ホリエさんなどは週に一回だか月に一回だかの会議で様子を聞くだけという感じなのだから、それでなにかが良い方向に転がるはずがない。

というか当時を振り返って、そもそもライブドアのビジネスで儲かっているビジネスがそもそもない。金融部門だけである。あの単にyahooをパクっただけのようなポータルサイト、あんなものが収益を生むのであれば誰も苦労はしない。

ソニーを買収していたら今でいうiPhoneが云々というのも典型的な個人投資家目線の客寄せパンダ的妄想であり、そんな妄想を評価しようという発想自体が、そもそもどうかしているのではないかと私的には言わざるを得ない。企業の戦略や経営に疎い人ならではの発想だと感じてしまう。あんなものがただのインチキではったりであるのは火を見るより明らかだ。

追記

ppp22 ホリエモンって経営者としては2流だけどポジショントーカーとしては1流だと思う。

と言う気持ちはわかるが、ホリエさんのポジショントークというか、ただわかりやすいだけの構想を自信ありげに語るという非常に限られたリソースというかコンテンツのようなものを、しっかりマネタイズする仕組み*1をつくったほうを私はむしろ凄いと思うけども。

*1:結果として違法だったが。