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ベーシック・インカムに群がるハエ

ベーシック・インカムというのは、「最低限所得保障の一種で、政府が全ての国民に対して毎月最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金(5万円-8万円程度)を無条件で支給するという構想」だそうで、「すくなくとも18世紀末に社会思想家のトマス・ペインが主張していたとされ、1970年代のヨーロッパで議論がはじまっており、近年になってから日本でも話題に上るようになっている」のだそうだ。


確かに、これが日本の財政に鑑み、莫大な維持・運用コストがかかる複雑な社会保障制度を全廃し、ベーシック・インカムのような極めてシンプルな仕組みに統一することによって、社会的なコストを削減しようというコンセプトなのであれば、ざっくりだがわかる。賛同もする。

ただね、現状の社会保障制度は非効率とはいえ、それでも必要なひとに多くが行き渡るように設計されているわけで、それを均してしまったら本当に必要なひとにお金が行き渡らなくなるはずだ。それはどうなのか。

逆にそうではなくて、既存の社会保障に加えて、全国民を対象に給付額の下限を新たに導入するものだという話になると、ただでさえ財政が苦しいのに、何故わざわざ不要不急の予算を新たに組まねばならないのかということになる。

結局、大元の財源は一緒(というかむしろ減ってる)なのだから、今カネを給付されていない人に新たに給付するための財源は、どこかから奪ってくるしかない。


単に気づかないだけなのか気づかないふりをしているのか知らないが、どうもベーシック・インカムの話題には、この辺のシンプルな構図を無視した単に自分が怠けたいがための、棚からぼたもちを期待して賛成するようなノイズが多くて、いまいちピンと来ない。

いや、怠けたいのは別に全く構わないというか私もそうなのだけど、上記の構図というのは、ともすれば生活保護者などの社会的な弱者からの搾取なのであって、それではまるで敗戦国の民家で略奪を繰り返す薄汚い軍隊のようだ。クソに群がるハエ以下の存在であって、それには賛同できない。

ブクマを見て追記

はてなブックマーク - ベーシック・インカムに群がるハエ - よそ行きの妄想

ベーシック・インカムの目的は、「国民全体が『将来の不安無く過ごせる』価値」の提供なのだというのは確かにわからないでもなく、その価値を享受するために負担が増えるのだと言われれば、納得しないでもないかもしれない。

ただどうなんでしょう。将来の不安というのは、当然絶対的な貧困に陥る不安、つまり最低限生命維持のための食事がとれなくなるかもといったものももちろんあるのだろうが、相対的な貧困に陥る不安というのもあるのではないか。隣人に貧乏だと思われたくないというような。

相対的な貧困というのは、当然、全体のベースが上がってもまったく解決しないわけだが、それでもベーシック・インカムは期待した効果を上げられるだろうか。私は若干ネガティブ。

そもそも現行の社会保障制度は、絶対的貧困に陥る不安を払拭できないほどに非力なものなのだろうか。少なくとも私は、餓死するかもという類の不安を具体的に感じたことはあまりないが。