対日投資の振興って必要なんだろうか
「有力外資、相次ぎ日本撤退」との報。日経ネットから。
海外の有力企業が日本での生産や販売から相次ぎ撤退する。タイヤ大手の仏ミシュランは7月に日本での生産をやめ、韓国の現代自動車は乗用車の販売を中止。カナダの燃料電池大手も撤退する。国際収支統計によると2009年の対日直接投資は前年比で55.7%低下。外資大手は日本から新興国などへの投資先シフトを鮮明にしており、日本は法人税減税や規制緩和で投資環境を改善する必要がありそうだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100310ATDD030C909032010.html
対日投資が細っている現状に鑑み、資金を呼び込むためには規制緩和が必要だと言っているのだろうか。
間違いではないのだろうけど、その、資金を呼び込んだところで投資先がないわけだから、あんまり意味ないのではないのだろうか。
以下は、日銀が公表してる資金循環統計をグラフにしたもの。
数字がプラスなのが資金余剰、マイナスは資金不足だから、要するに日本国内では家計も企業もカネが余っていて、政府が頑張ってばら撒きじゃなくて投資を行い、残った分が海外に流れているような状況ということ。
このうえ海外からも投資を受けたらさらに国内にカネが余ることになるが、その分も政府が頑張って使うのだろうか。実にバカバカしい話である。カネと言うのは、別にたくさんあればいいというわけではなくて、流れないと意味ないのだ。
いや、政府の資金需要が本当に必要なもので、それなりに資金効率の高い投資をするのであれば何の問題もないのだろうが、そうではないということはイマドキ誰もが知っている。地方の道路など、それはそれで当然その地方にとっては必要なのだろうが、経済的な効果を考えると費用に見合わな過ぎる。
若しくは、外資系企業を国内に呼び込んで国内で設備投資等をしてもらう、つまり資金を呼び込むのではなくて資金需要を呼び込むのだという話であれば理解は可能だが、そのためには国内の消費を喚起せねばならないわけだから、法人税減税というよりは所得税や消費税を減税した方がいいのではなかろうか。
そもそもの長い目で経済のパイを増やすのだという意味では、移民政策なども有効だろう。
まあ普通に考えて、無駄な(投資効率の悪い)政府支出を減らしてその分を海外投資に振り向ければいいのではないのだろうか。
国内の雇用が減って失業者は増えるだろうが、それはまた別の問題として対処したほうがよいかと思う。
*1:単位は億円です。