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りそなの大型増資と投資家のモラルハザード

先日、りそなホールディングスが新株発行のための発行登録をしたことが、一部で話題になっていた。
「新株式発行に係る発行登録について(PDF)」

時価総額とほぼ同額、6000億の大規模増資!

話題になっていた理由は、単純に金額がでかいからである。その額なんと6000億円。どーん。

当該新株発行公表日の株価は612円であり、発行済みの普通株式は12億株だから、時価総額は約7400億円。新株をいくらで発行するのか知らないが、時価で発行するとすると、希薄化率は80%を超える計算になる。

普通、希薄化というのは1株当たりの利益の減少につながるから、既存の株主にとってみれば実に迷惑な話である。

ただよく見ればそんなにネガティブな話ではない

りそなは、上記の公表と同時に以下をリリースしており、いわばフォローをしている。こちらを読むと、確かにそんなにネガティブな話ではないな、という感じがする。
「新たな「経営の健全化のための計画」の提出ならびに『りそな資本再構築プラン』の策定について(PDF)」

以下の図は、同リリースから引用。

なんとなくデザインがダサいのが気になるけれど、言いたいことはおよそこういうことだ。⇒6000億増資するけれど最大で9,000 億円の預金保険優先株式を返済するから、資本が「公的優先株式」から「普通株式」に振り替わるだけで実質的には希薄化しない。今後は、優先株配当にまわしていた分の剰余金が浮くから、普通株配当を増やす。2割増やす!と。

市場の反応

市場の反応はといえば、実に芳しくないものであった。

公表後初日はストップ安でその後も特に値を戻すこともなくだらだらと下げている。具体的に数字で言うと、公表前3か月間平均の時価総額が9,510億円で公表後の平均が5,840億円なので、実に4,000億円近い価値が喪失している計算になる。これは、実に厳しい評価であるといえる。

モラルハザード投資

何故そこまでネガティブとも思えない発表によって、そこまで大きく株価が下がるのだろうが。答えは簡単で、投資家はもっとポジティブなシナリオを想定していたということだろう。
おそらく、投資家各位のメインシナリオは、公的資金はどうせ泣き寝入りだから返済の必要はないと思っていたのではなかろうか。そこまでムシのよろしいシナリオを描いていればこそ、公的資金返済の報せはサプライズとなる。

つまり、もともとの株価が高すぎたのだというお話。