投機筋って言いたいだけ

最近の円高・株安を受けての有識者の発言で、今の相場は主に海外の投機筋による過熱した相場であり適正水準からオーバーシュートしてなんとかかんとか、、というものを聞くような気がする。


言ってるやつの気持ちはわからんでもないが、ちょっとマーケットをバカにしすぎではないか、と言いたい。これだけってどれだけかよく知らないけど、金融市場が発達したなかで、どこぞの投機筋がちょっと仕掛けたくらいで相場が作れるなどということがあるものだろうか。そりゃ多少マーケットのセンチメンタルが行き過ぎることもあるだろうけど、それこそ適正水準に向かううえで必要なプロセスだろう。


米欧が為替介入すれば、投機筋はびっくりして逃げていくみたいなことを、ダイヤモンドに寄稿していた人がいたが、本気で言っているのだろうか。その前後の本文にはマーケットを落ち着かせるには兎に角底を打たせることが大事と書いてあったが、そっちのが正しいと思う。


何度も言うが、ドルの信認は揺らいでおり、相対的な価値が低下している。アメリカ経済の停滞と共にアメリカという国家を信用するための基盤がどんどん小さくなっている。そんな中で無理やり介入で為替レートを何とかしようという発想は極めてナンセンスであり、市場の一層の混乱を招くことは自明ではないか。政府のあるべき姿としては、いまは悪材料をすべて出させることに専念し、市場のことは市場原理に委ねるべきと思う。