田原総一郎について

この人は本当に頭がおかしいのか、とたまに思う。
まずは下の記事を読んでみて欲しい。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/080410_54th/

まとめると、同氏は記事内で、現在中国が世界からバッシングを受けている現象の理由として、中国の何らかの行為が批判をうけているというよりはむしろ、中国という国自体が嫌われているのではないかという仮説のうえで、その「国自体が嫌われている理由」として、概ね3つあげている。
・ジェラシー
・アジアだから(人種差別)
中華思想が気持ち悪いから
ちょっと待て。ジェラシーってなんだよ。


読んだ方はお分かりになると思うが、中国が高度な経済成長をしているから、欧米諸国はジェラシーを感じ、それが今回のような騒ぎに繋がっていると、本当に書いてある。ちょっと抜粋する。

チベット騒乱は確かに先進国にとっては納得できない面がある。しかし、それが反北京五輪に結びつくのは唐突すぎる。
原因の1つは、ジェラシーではないかと思う。欧米の国々や日本も経済は低成長だ。その中で、中国はこの10年間、年10パーセント前後の高度成長を続けている。産業経済の拡大ぶりがすさまじい。しかも中国は13億という膨大な人口を擁している。そういう中国の躍進、発展に対する欧米諸国のジェラシー、あるいは、脅威、恐怖心があるのではないか。

いやいや。お前の言ってることのほうがよっぽど唐突だろ。常識的に考えて。
「中国は経済成長率が高くてうらやましいぜ。こうなったら腹いせに五輪邪魔してやるぜ。」ってこと?そんなマクロ経済を理由に感情を高ぶらせることができる人が世の中に一体何人いるのだろうか?少なくとも私のまわりにはいない。


確かに中国は現に急速な経済成長を遂げているが、それによって世界経済は得こそあれ、損する人はいないわけで、つまり理性で考えた場合対中国姿勢としては温厚であるべきである。実際ブッシュ大統領なんかはこんな問題に対してはいち早く「悪の枢軸」みたいな声明を出しそうなものの、対中外交を意識してか異様に縮こまっている。サルコジ大統領も然り。にもかかわらずこれだけ対中国の世論が批判の方向で高まっていることについての説明としては、感情論によらざるを得ない気持ちはわかる。
にしてもジェラシーとは、、ジャーナリストの語彙力又は表現力としてどうなのか。


個人的には、世論の反中意識の高まりは、湾岸戦争前のイラクに対するそれと似ているような気がする。当時は米ソ冷戦が終結し、ある意味世界の秩序が崩壊し世の中が混乱していた。そんな中で、イラクがクウェート侵攻という前時代的な、近代国際社会では凡そタブーとされる行動にこっそり出たものだから、一気に反イラクで世論がまとまった。のだと思っている。
現在も似ている。米国を中心としたグローバル経済の信用創造バブルが崩壊の危機にあり、基軸通貨としてのドルも揺らいでいる。世界経済はかつてなく混乱しているわけである。いまや経済は(軍事力や戦争に代わって)政治のすべてといっても過言ではない。米経済の変調に根ざした世界経済の混乱は世の中の混乱と同義である。
そんな中で、中国が行ったことは、独立又は自治の拡大を求めるチベット民族に対する武力弾圧である。事情がより複雑なのは言うまでもないが、少なくとも外からはそう見える。といのも、中国には天安門事件という、民主主義に対して唾を吐きかけるような、国民主権国家から考えると想像もできないような、凄まじい前科がある。独立を訴えるチベット民族を軍隊をつかって皆殺しにしたと思われても、はっきり言ってしょうがない。たとえ真実とは違うにしろ、前科のない人よりも気を遣ってしかるべきである。ところが、そこにきてあの報道規制である。こう考えると、中国に対する世論感情の高まりは、ある意味当然であって、別にジェラシーがどうのとかわけのわからないことを言う必要はない。


同氏は、最近中国のジャーナリストたちと議論する機会があったとかで、中国の表現の自由もずいぶん変わって、まともな国になったみたいなことを書いている。しかし、そんなことは誰もしらない。お前がたまたまそういう機会に触れただけであって、それが事実かもわからないし、そもそもそんなこと普通の人が知るすべもない。天安門事件のときから、支配政党もなにも変わってないわけで、どう考えても「中国は変わったんだよ」とか思うほうがマイノリティーだろう。そんなこともわかんないの?


まあただ一方で、西側諸国からすれば、アジア諸国は内か外で言えば間違いなく外であって、内輪に対する目よりも冷たいというのは、それはあると思う。しかも中国は、共産主義だし、一党独裁だし、中華思想で偉そうだし、で西側諸国なんかからは嫌われてても別に不思議ではないとは思うけどね。