facebookはgoogleを超えるのか

以前はネットオタクを自称していたわたくしも、最近はめっきりアンテナが低くなったようで、facebookが日本に進出してきたのを昨日知った。正直、SNSはわけのわからないベンチャーがたくさんあっていちいちフォローするのは時間の無駄くらいに思っていたわけだが、気が付いてみると、どうやらfacebookというのは会員数が1億人を突破し、ほぼ独走だったMyspaceをものすごい勢いで追い上げているとのことらしかった。


いかんいかんと。


ということで、昨日いろいろ見て回ったところ(会員登録もしてみた。無論実名で。)、下の記事あたりがとりあえずの彼らの”売り”を理解するにはよろしそうだった。
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20373524,00.htm
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20373559,00.htm

以下バリバリ引用。

基本的に僕らの取り組みは、他のサイトと比べて切り口がまったく違います。それはFacebookが、「リアルピープル、リアルコネクション」という、実在の人と実在のコネクションを基盤としているということです。実在の人、実在のアイデンティティ、実名、そして実在の友人の中でのコミュニケーションを円滑にするための力を提供するFacebook、という位置づけは他のサイトとは差別化できていると考えています。

いま開発者だけでも30万人が携わっていて、2万ものアプリケーションがあります。ただ、FacebookはよくウェブのOSという言い方をされるんですけど、たぶんこれまでのデスクトップのOSとはまったく違う形での領域と展開になると思っています。あくまでも僕らには、スタートの段階から一貫している「情報の共有」という目標があります。そのプラットフォームの上にいろいろなサービスが提供されていて、そのサービスが提供されることによって、さらに多くの情報が共有される。そしてそれが1つの事業として成り立っていることには価値があります。開発者の方々はそういった形で事業を立ち上げることによって、すでに何億ドルもの収益を上げることが可能となっています。

Facebookはインターネットの次世代プラットフォームであり、(適切なFacebookアプリケーションを持った)あらゆる野心あふれる起業家を一夜にして成功に導くことができる

Facebookの開発者コミュニティーの自己報告による調査によると、1人の起業家がFacebookのアプリケーションを開発するために要する平均的な開発期間は2〜15週間であると、Palihapitiya氏は述べた。またこれらのアプリケーションを開発するのに要する平均的な人員数は1〜5人である。そしてFacebookアプリケーション開発者の約33%が1カ月に50万ドル以上の利益を得ていると報告されている。最後に、Facebookで動作しているアプリケーションの少なくとも4分の1には、日常的に使用している10万人のアクティブなユーザーがいる。

われわれは、自分たちは根本的にテクノロジー企業であると考えている。われわれはパイプを作っているケーブル会社であり、そのパイプを流れているのは人々に関するソーシャルな情報と彼らの対話の情報である

僕らが見据えているのは、あくまで「人」です。大切に思っている人と、その人をもっとよく知りたい、そして共有したいと思う気持ちが大事で、まずは人ありきなんです。でもGoogleの場合、どちらかというとインデックス化するとか、マシンがどうだとか、情報をいかに整理するか、そういうところに注力しているのではないかと思います。


わたしは、2007年の1月に、こんなことを書いている。即ち、グーグルを超える(期待感を演出する)には、コミュニケーションを切り口にするのがいいのだろうと。インターネットの本質は双方向性だから、グーグルのやっているような情報の整理的な取り組みよりも、コミュニケーションを切り口にした方が将来性が高い(ように見える)だろうと。


facebookは自らを『インターネットのネットワークオペレーター』と称する。『パイプを作っているケーブル会社であり、そのパイプを流れているのは人々に関するソーシャルな情報と彼らの対話の情報』だそうで、コミュニケーションのツールなどは開発環境をオープンにすることで外部の開発者が開発してくれるのだと。


なるほどねと。


2007年1月に私が思った、グーグルを超えるコンセプトはコミュニケーションであるという思いつきと、facebookのビジネスデザインはあまりにもおおきな隔たりがあった。(私のは所詮絵空事という意)感心しついでに、今日はグーグルを超えるのはfacebookかもね、と言ってみる。


facebookは現在Private Companyのようだが、MSの増資時で時価総額約1兆5000億。グーグルの18兆には遠く及ばない水準ではあるが、彼らのコンセプトは非常に優れていると思うし、莫大な会員数は多額の収益を計上する下地になるかもしれない。実に上場が楽しみである。