日本株は上がるの?

今日の日経に、モルガンスタンレーアセットマネジメントのジョン・アルカイヤ社長のインタビューが囲み記事で掲載されていた。

曰く、
・原油価格の高騰などにより、世界経済のインフレリスクは高まっているが、
・日本は長らくデフレ不況下にいたわけで、目下のインフレリスクが相対的に小さい。
・むしろ、便乗値上げなどでデフレ脱却の好機となる可能性もある。
官製不況など、内向きな政策が嘆かれるが、長い目で見れば日本市場はオープンになってきている。
・よって日本株上昇の諸条件は整いつつある、と。


上記について、基本的には禿同である。日銀などが、インフレリスク高まるなどと発言しているのを見るにつけ、一体どのあたりがインフレなのかとひそやかな疑問を持っていた。長期金利が2%前後でうろうろしているのに、インフレなどということがあるものなのだろうかと素朴に思っていた。


で、世の中がインフレ一色なのに対し、相対的にインフレ率が低いということは、通貨の価値が相対的に高まるということである。つまり、今後円貨での資産運用が有利になるというのは合点がいく。


じゃあ日本株は今後上昇するのかと問われると、拭い去れない疑問が2つある。
ひとつは、そうはいっても日本株はアメリカ株に完全に連動して動いているという現実。もうひとつは日本国の債務残高の適正性、又は国家のバランスシートの健全性である。


ひとつめについては、読んで字のごとくであり、どんなに難しい理屈を並べようが、要するに日経平均というのは、まことに残念ではあるが、前日の米国のダウとナスダックの動向をそっくりそのまま反映して動くのである。そう考えると米国経済の展望が芳しくないうちは、日本経済・株価推移についての見解も好転しようがない。上のロジックは異論をはさむすきまもないかもしれないが、米国の話がでてこないので、安心感を欠くと思う。米国株と日本株が強固にリンクしている論理的な理由がわかれば、また違うのだろうが、私にはイマイチよくわかっていない。


もうひとつは、よく言われる、日本の財政赤字の問題。これはこのまま膨らんでいくと、それこそデフォルトとかそういう話になるわけではないのか?国家の信頼性が乏しいにもかかわらず、長期金利が低位でとどまっているというこの状況はサステイナブルなのだろうか。


よって、個人的には以下の2つの問題がクリアにならないと、なかなか日本株についての話ができない。
・日本株が米国株に連動する本質的な理由
・日本の財政赤字の行く末