仕事ってなに

分業ですよ。
人が集まって分業するというのが仕事ということですよ。
仕事ってなんだろ増田 - finalventの日記

これを見て、よく意味がわからずなんとなくもんもんとしていたのだが、北京五輪日本人金メダル第1号の内柴選手の以下のインタビューにはっとさせられた。

やっちゃいました。これが僕の仕事。精いっぱいやりました。(勝負が決まった後も、抑え込みを続けたが)終わっていると分からなかった。(長男の目の前での勝利に)おやじの仕事をしっかりやりました。
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「仕事」が2回でてくる。同じ意味でいったのかもしれないが、私には違って聞こえた。2回目の「仕事」は「おやじの」という接頭語が付いているから、これはきっと家庭における仕事である。息子に対して、威厳を発揮すること、尊敬されること、期待に応えること、などが父親に与えられた役回りである、という認識だろう。

では最初のほうの「仕事」は。私にはこれは日本という大きな社会における仕事という意味に聞こえた。この一瞬の勝利こそが、自分が日本社会に存在している最大の理由であり、価値なのだという自覚に聞こえた。そのために厳しい練習にも耐え、自分の生涯を費やしているのだから、と。だから精一杯やるのは当然で、期待に応えることができてうれしいということのように思えた。


で、これは確かに分業である。例えば福田総理が柔道の練習ばかりしていたら日本の国政は(いまよりもっと?)疎かになるし、内柴選手が国政に注力していたら日本は五輪で存在感を発揮できない。
人が集まると社会ができて、集まった人たちが分業をするから仕事ができるのだ。


ということで、冒頭のid:finalventによる仕事の定義を自分なりに言い換えてみた。
仕事とは、明示的又は暗示的に社会から与えられた要請であり、個人にとっては自己を実現したり認識したりする手段である。

大きい社会もあれば小さい社会もあるけれど、その大小を問わず。


ちなみに、この意味においては、「仕事」の反義語は純粋に自分のためだけにやるという意味で、「オナニー(的行動)」ということになろうか。