セックスのプロリーグをつくったら風俗嬢のプレゼンスはあがる

前回エントリ投稿後、
404 Blog Not Found:仮説 - 「売女」や「土方」が蔑まされる理由や、
職業差別は倫理観を形作る源泉ではないか - 狐の王国
などを眺めていたら、ふとタイトルのような妄想が脳裏をよぎったので、そのまま文章にしてみた。

プロスポーツ化

セックスを、フィギュアスケートやアマレスのような採点競技としてスポーツ化する。
体力・持続力やテクニック、見た目の美しさ(エロさ?)、相手に対する思いやり、飛距離などを採点員が採点する。道具の使用は原則自由。ただし、快楽を極端に増幅させる薬物や機械式の玩具は使用禁止。基本的には男女ペアで競技に参加。病的なリスクは科学的に排除される。
セックス用品協会や各種メディアが協賛し、プロリーグを創設する。
年1回開催されるオールスター戦では、エキシビションマッチとして複数同時プレイや視聴者投票による男女それぞれのMVPプレイヤーの夢の競演などが実現する。

「山本さん、この体位は。」
「ええ。かなり負荷がかかってますよ。」

とか、

「この時間帯でこの体位ですが、両選手には焦りは見えますか、山本さん。」
「ええ。時間内の発射がひとつのポイントになってきますね。」

という状況は想像に難くない。既視感さえある。

新しい承認関係

プロリーグ創設当初、当然のごとく期待をあつめるのは、AV男優・女優や性風俗産業従事者などのいわばセミプロだろうが、莫大な協賛金にも支えられ、回を重ねるごとにスポーツとして洗練され、技巧面の発展も著しく、まったく新しいスタープレイヤーを次々と生み出すことだろうと思う。
もともと潜在的な競技人口が極端に多いので、競技化及びプロリーグ創設はかなり壮大なヒエラルキーをつくり、トッププレイヤーは強い信仰の対象となる。


「おまえ、毎日女とヤリまくってばっかりで将来どうすんのよwww」
「いや、おれ(ら)実はプロ目指してんだよね。来月から鷹さんのコンドーム持ちやらしてもらうんだ。だから大学もやめるかも。」
「マジで。・・・そっか、お前のやつ、相当いいらしいもんな。頑張れよ。応援するぜ」


若しくは、


「あんたもいつまでも風俗なんかで働いてないで、まともな職見つけたらどうなの。」
「私はそんな半端な気持ちでやってない!いつか絶対プロになってみんなを見返してやるわ!夢を実現してみせるんだから・・。」
「そんなに本気ならもう止めないわ。精々頑張ってください。」


であったりとか、


「姉ちゃん、ここんとこ毎日シフト入ってんな。もしかしてプロ目指しとんか。」
「笑わないでくださいね。実は子供の頃からの夢なんです。」
「おっちゃん応援するわ。いまベストスコアいくつや?」


などといった承認関係が実現する。すべては正当化されるのだ。

周辺産業の興隆及び思想面の影響

選手生命は長くない(他のスポーツよりは長いか?)ので、コーチや解説者などの裾野産業も整備される。

特に、風俗産業の担う役割は大きいだろう。トッププレイヤーレベルであれば、技術監修などとして複数店舗のチェーン展開を手がけるカリスマも出現する。力士のちゃんこ屋と同じ位置づけだ。男性による女性向けの風俗店も急激に増加するだろう。プロ予備軍の生活力確保と技巧的な修練を兼ねる場としても存在感を示す。

ただ結果として、風俗店はプロを目指す本気の人が集うことになるし、顧客の要望も必然的に高くなるので、なんとなく生活のために、倫理的なリスクテイクの対価を受け取っていたような人はクビになる。風俗店で働くことのリスクプレミアムは消失するということだ。

こうした中、当然の帰結として思想としての非セックスやセックス原理主義をも生み出すことになるだろう。単純な享楽としての独りよがりなセックスは、徐々にではあるが社会的に排除される。レイプ事件などに際しては、プロフェッショナルセックス協会が真っ先にコメントを出すことになるのだろう。

また、普通のプライベートなセックスでも、相手の信仰の度合いによっては、かなり形式的または定量的なダメだしをくらうことになり、ショックで機能不全に陥る男性も急増することとなる。お笑いかぶれがつまらないボケを披露した後に「今のは突っ込むところ」的な能書きを垂れる図式とまったく同じように、スポーツセックスに対する信仰が強い女性が、おもむろに不可思議なポーズをとり、面喰う男性に対して「今のは突っ込むところ」と詰め寄る場面は必ず訪れる。

さらに、女性による早漏差別も社会問題化することは間違いないし、そもそも未経験のセックスに対する風当たりも徐々に強まる。「セックスをするためのセックス経験がない」というレスは間違いなく2ちゃんで飛び交う。そうしてヒエラルキーから排除された男性や、愛のあるセックスを求める原理主義者、風俗店をクビになった無能力者などを中心に、スポーツセックスからフリーセックスへの回帰を求める運動も強まる。周辺産業によって莫大な利潤を生む協会に対する、嫌儲的批判も後を絶たないだろう。しかしながら、上で見たように一方では多くの人が金銭的にも思想的にも救われることになるから、反対運動は功を奏さない。


ところで、意外と盛り上がらないのが国際試合ではないか。文化が違うからだ。民族意識とも密接なため、ホームディシジョンの傾向もかなり強く出ると思う。おそらく、オリンピックの種目入りを果たすには相応の時間が必要だろう。