こんにゃくゼリー製造中止は普通に考えて必然

こんにゃくゼリーの論理破綻 - (旧姓)タケルンバ卿日記とかはてなダイアリーとかなんか盛り上がってるようなので書いてみた。

同社の売り上げの9割弱を「蒟蒻畑」が占めているという。
こんにゃくゼリー製造中止 - マンナンライフ、テレビCMで注意喚起も | ライフ | マイナビニュース

いや、どう考えてもこの状況が一番おかしい。経営者失格。リスク管理がまったくできてない。今回の件がなくてもいつか絶対潰れていただろう。たったひとつの商品で売上の9割を構成するという状況は、まったくもってナンセンスだ。もし何かの拍子でその商品が傾いたら、それが会社存続の危機に直結してしまうからだ。それでは会社の社会的な責任が果たせない。例えばマンナンライフは、こんにゃくゼリーで儲けたカネでよそのお菓子会社を買収するなり、新規事業を立ち上げるなりすべきだった。その機会がなかったはずはない。


という話はとりあえず置いておいて。
百歩譲ってこんにゃくゼリー一筋でやっていくという条件が前提だとしても、そんな全部の卵がたったひとつの小さいかごにパンパンに盛られたようなスーパーハイリスクな状況で、万にひとつでも人が死ぬなりして世論の批判をあびる可能性を残した状態のまま事業を継続するという判断が、経営としてさらにおかしい。ハート型にして死亡リスク半減とか、そういう問題じゃない。社運を完全に左右する商品で、マンナンライフはその業界のリーダーだ。政治家にカネをばら撒いてでも、万に一つのリスクさえつぶさなければならない。もちろんこれは企業が雇用の維持なりの社会的責任を果たす上での手段としてだ。

こんにゃくゼリー自体、はっきり言ってあってもなくてもどっちでもいい。確かに私はあれが好きだけど、他にも好きなものはたくさんある。誰にとってもそんなものだろう。そういう商品は、ちょっとしたことですぐ叩かれて規制されるリスクが高いのだ。「ホリエモン」という商品が少し前に流行ったが、あれと一緒だ。

ひとりでも人が死んだらバカが騒ぎ出すのは当然で、バカに騒ぐなと言ってもそれは無駄な努力というものだ。バカというのは失礼かもしれない。彼(女)らはこういう騒ぎにかこつけてバカでかい声を張り上げることで、衆目を集めることが仕事なのだから。全体的に見て、「つぶせ」と叫ぶ人はそれを政治活動として捉えることで利益を得ている。それであればつぶさないためには、つぶさないことによる利益がそれを上回るように設計しなくてはならない。一番単純な例としては上にも書いたようなロビー活動だが、他にも例えば、こんにゃくゼリーがなければ生きていけないような人物・団体や、こんにゃくゼリーがなければ成り立たない行事や慣習、及び歴史を捏造して、「どうでもよくない商品」にすればいい。そうすればバカが騒ぎ出したときに味方として擁護してくれるだろう。そういう努力をしていたのだろうか。もししていないなら、今回の件はやはり必然だといわざるを得ない。


ちなみにこの件で一番頭が悪いのは、ネットでこんにゃくゼリーの危険性について論じてる(笑)やつだろう。こういう規制を生むのは、他商品との危険性の比較ではなくて、その商品の危険性とメリット、即ちリスクとリターンの検討だ。わかるかな?自動車が生命の危険を伴うハイリスク商品なのにもかかわらずすっかり普及しているのは、その便利さや関連業界も含めた経済的なリターンがさらに大きいからだ。
こんにゃくゼリーより餅の方が危険だから餅も廃止するのか、などと言ってる人は冗談だと思うが、もし本気で言ってるならたぶんいろんな感覚がおかしい*1ので、しばらく山篭りでもしたほうがいい。無期限に。

*1:たぶん昔あったアザラシのたまちゃんの話で、「たまちゃんはかわいそうだから海に帰してあげるべき」とか言ってた層と同じと見た。