コンビニのビジネスモデルについて
池田先生のブログから。
要するにコンビニがもうかっているのは、巧妙にヤミ再販を続けてきたからなのだ。
しかし消費者もバカではない。最近、うちの近所のセブン・イレブンの隣に100円ショップができ、セブン・イレブンと同じ商品をすべて数十円安く売っている。当然、客は100円ショップに集まり、セブン・イレブンはガラガラだ。日本でも、もう一度、流通革命が必要だ。こんど破壊されるのは、かつての革命の主役だったチェーン店である。
コンビニという名のヤミ再販 - 池田信夫 blog(旧館)
それは違うのではないかな。
以前どこかで聞いた話だけど、コンビニのビジネスモデルの本質というのは小売ではなく、メディアだと言う。
コンビニに行くと常にさっきテレビCMで見たばかりのような新商品が並んでいるわけで、それはつまり顧客にとってみればコンビニというのは流行を知るうえでの情報源のひとつなわけだ。用もないのにコンビニに立ち寄って、昨日と違う商品をチェックしたり新しい雑誌を立ち読みするのが日課な人も多いと聞く。
であるからして、コンビニの商品が原則として定価販売でありディスカウントストアと比較して相対的に高価なのは、顧客が上述したようなメディアとしての価値に対してプレミアムを支払っているからに他ならない。池田先生の家のご近所でコンビニよりもディスカウントストアが人気なのは、消費者が(今さら)値段の違いに気が付いたからではなくて、不況の影響で懐具合が痛み、余計なプレミアムの支払いが削減されたためだろう。家計が厳しくなってとりあえず定期購読していた「LEON」をやめるとかそういうのと一緒。
では不景気のあおりを受けてコンビニが価格競争に参加するのかというと、それはおそらくないんじゃないだろうか。せっかく培ったメディアとしての価値を放棄して取りに行くほど、小売業界の利益プレミアムは魅力的なものではないからだ。
きっと、メディアとしての価値に着目し、取扱商品の幅を広げたり、在庫リスクを伴わない広告や委託販売モデルを導入したりというのが順当な路線だと思う。
こんな感じ↓やっぱりセブン・イレブンが業界をリードしているのだなという印象を受けつつ。
セブン&アイ・ホールディングス(3382.T: 株価, ニュース, レポート)は13日、子会社「セブンカルチャーネットワーク」を設立し、旅行業に参入すると発表した。モノからサービスへ移行している消費に対応する。
新会社は、セブン&アイ・ネットメディアが70%、セブン―イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、ミレニアムリテイリングがそれぞれ10%を出資する。
15日付で「セブンカルチャーネットワーク」を設立し、イトーヨーカ堂と西武百貨店が行っている文化教室を継承。09年秋以降、旅行業を開始する。そごうや西武百貨店の店頭のほか、セブン―イレブンの店舗でも取り扱う。また、2010年春には、文化事業と旅行業を融合した複合型売り場も展開する。
セブン&アイ、09年秋以降をめどに旅行事業に参入 | Reuters