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亀井静香の重力とスーパー詭弁大戦

ネタ

月刊亀井静香

金融日記:みんな亀井静香を甘く見ない方がいい」には笑わせていただいた。

要約すると、

返済モラトリアム発令→中小企業壊滅→徳政令発動→銀行壊滅→公的資金注入で全銀行が国有化→1500兆円の個人金融資産が亀井のものに→これは21世紀の共産主義革命だったんだよ!

といったような、どう考えてもインチキなドミノ理論陰謀論むき出しで語られ、挙句には延々と自分で書いておきながら、突然「そういうことだったのか!」と驚くというキバヤシの物真似を小ネタとして挟み、「くそ、なんてこった」という一発ギャグ系面白フレーズでオチをつけられている。

これはもう吹き出さずにはいられない。上記事の著者藤沢数希さんの話のはこびもうまいが、あながちまんざらでもないレベルで本気でトンデモシナリオのひとつやふたつは考えてそうな亀井静香のコント題材としてのハイレベルぶりにも気づかされた。実に優れた記事であったと思う。


というだけの話であればわざわざブログに書くほどの話ではなく、はてブのコメントに「吹いたw」とか書けばいいだけの話*1なのだが、さらに面白かったのは、同記事に対するはてブのコメント群にマジレスが散見された件である。

実に400を超える数のブックマークが付いているが、結構半分くらいの人がマジレスしてる。マジレスの方向は2つあって、「亀井やばい」系と「藤沢やばい」系に分かれているようだが、「亀井やばい」系の人は要するにほんとに「亀井やばい」と思いすぎて、冗談だと受け止められなかったということだろう。上述の通り、件の記事の面白みの一翼は間違いなく亀井静香の強烈なキャラクターが担っているが、逆にキャラクターが強烈過ぎて冗談も冗談にならないという一面もあるわけだ。ネタをネタと見抜くことができなくなるほどに人々の心を捉え、審ネタ眼を曇らせる亀井静香の強烈なキャラクターは、まるで地球の重力のようである。

そんなこんなで件の記事はネタとしては実はスベっていたようだが、そのことがむしろ亀井静香のキャラクターを更に引き立てることとなり、私にとっての例のインチキドミノ理論の面白みは増す一方だった。


というだけの話であればわざわざブログに書くほどの話ではなく、メタブのコメントに「さらに吹いたw」とか書けばいいだけの話*2なのだが、さらに面白かったのは、同記事に対して2005年の衆院選広島6区亀井静香とあついバトルを繰り広げたホリエさんがこっそり便乗している件である。

該当箇所を引用するのでご覧いただきたい。

これもその通りだ。私は先の選挙に落選してから亀井ウォッチャーになったから良く分かるが、彼の選挙区広島6区で戦った民主党候補佐藤氏は参議院に鞍替えし国民新党の推薦も受けた。その前には私にまで彼は国民新党での出馬を要請してきた。これはどういうことか?広島6区で完勝すべく有力相手候補の排除に回ったわけだ。私との選挙戦では敢えて雨が降ってきたのに傘も差さずずぶぬれのスーツ姿をアピールしたりもしていた。彼にとっては政局を利用した利権獲得が最大の目標だし、本気で自分の政策が日本を良くすると思い込んでいるのは間違いない。

収入の多寡|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」

理路がおかしくないだろうか。「有力相手候補の排除」や「ずぶぬれのスーツ姿をアピール」といった事実と、「利権獲得が最大の目標」や「本気で自分の政策が日本を良くすると思い込んでいる」といった結論の間には大きな飛躍がある。これは別に私が引用に際して大胆な省略をしたからとかではなく、もともと飛躍してる。

どう贔屓目に見ても、「ずぶぬれのスーツ姿をアピール」することは、「利権獲得が最大の目標」と判断するための根拠としては途方もなく薄弱であり、単なる印象論であると断ぜざるを得ない。上のドミノ理論と比べても負けず劣らずのトンデモ理論として仕上がっている。

大体、「その通りだ」と語り始めて、「利権獲得が最大の目標だし、本気で自分の政策が日本を良くすると思い込んでいる」と結論付けているが、いまいち元記事の話と噛み合ってない気もする。というかそもそも、もし本気で(自分の政策によって)日本を良くしようと思っているのであれば、普通はそれこそが「最大の目標」なのであって、「利権獲得」はむしろ関係ないという話にならないか。

おそらく、「利権獲得が最大の目標」などではなく「目的のためには手段を選ばないマキャヴェリスト」くらいの良くも悪くもとれるような評価を結論として持ってきておけば、理路もすっきりしたし話も噛み合ったのに、わざわざ出所不明の印象を持ち出したりするものだから話がすっかりややこしくなってる。

ホリエさんもまた、亀井静香の強力な重力に引き寄せられ、方向感を失ってしまったのだろう。確かに亀井静香の顔には「利権獲得が最大の目標」と書いてる。ように見える。実はこれは単なる印象に過ぎないわけだが、亀井静香にはそれを単なる印象ではなく、まるで自明であるかのように見ている人に思わせる強烈なキャラクターの濃さがある。その強烈なキャラクターが発する強力な重力には、かのホリエさんでさえも魂を引かれ、冷静さを失ってしまうのだ。


ということで、だからどうしたのかよくわからないが、まあ要するに亀井静香の質の高さには脱帽だという話である。

*1:実際書いたし。http://b.hatena.ne.jp/chnpk/20090929#bookmark-16322400

*2:実際書いたし。http://b.hatena.ne.jp/chnpk/20090929#bookmark-16332217