MBOについて

久しぶりにblogの存在を思い出したので。。

最近MBOがはやっているような気がするので、少し考えてみました。
とりあえずはやっているという事実は間違いないものと仮定して、なぜはやっているのかということです。

まず、背景として金余り現象からくるファンドの活況があるのは間違いないでしょう。
ただ、これはあくまでファンド側の事情であることに加え、数ある投資手法の中でなぜMBOによるものが人気を集めるかという問題に対しては、なんら回答になりません。
おそらく、対象会社側の需要も大きいはずなのです。

ということで、思いつくままに、対象会社の需要に関する仮説を列挙。


1、敵対的な買収の脅威
もう一昨年の話題になってしまったわけですが、村上ファンドライブドアのご活躍によって、一般的な企業マインドとして、敵対的な買収に対する脅威が現実味をおびたものになっています。加えて外国会社による株式交換に関する規制緩和など、敵対的買収に怯える経営陣を奮い立たせるには十分な外部環境といえます。
そうすると、わ、わけのわからない会社の傘下になるくらいだったら、友好的なファンドと協調してMBOするんだから!といった、需要があることは想像に難くありません。


2、事業の再構築の必要性
根本的に経営がよくない会社で、抜本的な改革が必要としている場合は、上場を維持したままでは株主様の手前、あまり大きなリスクを伴う改革はやりにくい場合があるかもしれません。
この仮説は、現在の時流に関係ないので、はやっている理由にならないのかもしれませんが、上記1と似たような原因によって、株主を意識した経営が浸透したことが原因かもしれません。


3、ファンドに対する期待
これも上記2と同じ、経営がよくない会社に限った話になりますが、MBOファンドの再建手腕に期待しているというのもあるのかもしれません。
即ち、コンサルをいれる感覚でMBOするということです。
ソースは別にありませんが、うわさではリクルーティング市場におけるMBOファンドの人気は非常に高いらしく、そこに集まってくる優秀な人材に期待してしまう側面があってもおかしくありません。
コンサルと違い、(少しおおざっぱな言い方ですが)身銭を切るわけですから、より親身なアドバイスを期待するということもありそうです。


4、キャピタルゲイン
これは、経営陣が、ファンドによる株式取得が完了した後に、対象会社のストックオプションを得るか、もしくはファンドの株を一部譲り受ける、ということを前提にしています。
これは、ファンド側の利害と大きくリンクするんですが、要するにファンドのふんどしで相撲がとれるということです。

少し説明くさくなりますが、最近の大きなMBO案件はLBOの形態であることが多いように見受けられます。
対象会社の買収に要した資金の大半は、対象会社のキャッシュフローで返済するということです。
で、返済が終わったら再上場するとします。
仮にですが、上場廃止前と同じ株価(時価総額)がついたとすると、借り入れでまかなった資金の分がそっくりそのままファンドの利益になります。
つまり、LBOの場合ファンドの投資簿価は、実質上借り入れでまかなった分を差し引いて考えるということであり、上で言いたかったことは、経営陣にとっても同じ簿価で自社に投資をする機会を得るということです。
理論的には、MBOなんぞしなくても、自社のキャッシュフローを担保に借り入れを行い、自社株買いをするのと変わらない気もするのですが、ファンドの信用が上乗せされることで、借り入れの金額が大きくなるのかもしれません。


・・・もう思いつきません。

ので、以上の仮説から、どういう会社がMBOに適しているかと逆に考えてみると、、
1、敵対的買収に怯えている=時価総額が小さい、PBR・PERが低い
2、経営がよくない=毎年の利益が同じくらいの水準かもしくは逓減している
3、2とおんなじ
4、LBO=ある程度キャッシュフローはでている


どうでしょう、、大体あってそうな気もしますが・・
POKKAとか。