国家の罠

最近、本を読むようにしてます。
大変面白かったので、備忘的に。
読んだ本はこれです。

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

覚えておきたいと思った点はおおむね以下の通り。

  • 政治家とか官僚は思ったより国益のためにまじめに働いているよう
  • 大変優秀なひとも多い
  • 外交政策における情報の重要性
  • 情報マンは信頼が何よりも大切、情報マン同士はギブアンドテイク
  • 外務省の内情
  • 国策捜査の実情

検察は世論の目線で動くとか、世論はワイドショーと週刊誌でつくられるとか、時代の節目には国策捜査が必要とか、被告人には執行猶予がつくようにするのがルールとか、大変リアリティがありました。

  • 時代の転換にかかる考察

やはりここが本書のハイライトでしょう。今回の国策捜査から著者が読み取る時代の流れ、という感じです。
2つあります。まず、経済。公平配分型から傾斜配分型へ。自由主義経済への移行ですな。そして外交。国際協調型からナショナリズム高揚型へ。だそうです。で、前者はいうなれば個人にフォーカスしていくということ。一方後者は個人ではなく一体感が重要ということで、相容れない概念ではないかと方向性の矛盾を指摘しつつも、その帰趨については現時点で判断することは時期尚早と締めています。


ところで、国策捜査ときくと、ライブドアの事件が脳裏を横切るわけです。上の話との整合性という意味で、非常に納得感があるのは、国民の目線(ワイドショーのノリ)で事件がつくられるという点。
一方で、違和感があるのは、上記の国策捜査では自由主義経済への移行がテーマとしてあげられているのに対し、ライブドアはいわば自由主義経済の代名詞のようなところはありませんでしたでしょうか?オタク上がりの太ったITバブル成金が金で買えないものはないと豪語する、非常にわかりやすい自由主義的マスコットだったと思うんですが。


やりすぎ(または太りすぎ?)、ということでしょうか?