読書法と読書の醍醐味

に、フォトリーディングの本を読んで、腑に落ちない気持ちになって久しいが、その後読んだ内容を脳内咀嚼していく中で、ひとつの結論というか、読書法に行きついた経緯がある。


そして、その方法が今日ここに書いてあるのを見つけた。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/saitotakashi/080613_23rd/


ポイントは、まず結果を念頭におくということにある。つまり、いかにじっくり本を読んだところで、最初から最後まで全部覚えられるはずもないし、そんなことは目指していないはずである。せいぜい単語でいうと10個未満、センテンスで言うと2-3が記憶に残るのと、こんな本があったなあという漠然とした記憶が残る程度だろう。


おそらくこれは、どう読んでもたいして改善しない。それこそ、マーカーで線を引いて、下敷き(赤いやつ)で隠して、暗記するために意図的に反芻すれば、たくさん覚えられるかもしれないが、逆にそこまでしないと、せいぜい上に書いた程度のたいしたことのない成果が得られるに過ぎない。


そうであれば、最初からそれ(←たいしたことのない成果)を目的に本を読んだ方が効率的だろう、というのが私が至った結論である。結果を固定して、そのための手段を簡素化するわけである。ちなみに勉強や読書が不得手な人ほど、一字一句を正確に把握することに心血を注ぎやすく、インプットに時間がかかるうえ、期待した成果が得られない(単語でいうと10個程度しか頭に残らない)ことに気をもむ傾向にある。でも、それでいいんだと思う。


ということで、気をつけなければならないポイントは、世に言う読書法というのは、おそらく、大概は上記のように、「目的を限定化する」ことで「その方法を簡素化する」ことにあるということである。


そこまで理解できれば世に蔓延する読書法というのは非常にあたりまえのことばかりと気づく。要は、読書のコツは、いかに読書の前に読書の目的を限定することができるか、ということに帰結するのである。

・まず、読書する前にいろいろな角度から、本を眺める。即ち、本の帯や、裏表紙、目次やおわりにの部分などをざっと眺める。また、ネット上に転がる数多のレビューや、知人で読んだ人がいるのであれば、その人の意見も予め聞いておく。
・自分の興味ありそうな部分や、その本に書いてありそうなことを思い描く。
・実際に本編に目を通すときは、上であげたポイントが書いてありそうな部分だけを探して読む。
・後で見返したときにわかりやすいように、単語や文にペンで印をつけておく(記憶力を信用しない)。
・気が向いたら読み返す。

こうして本を読むと、ほとんどの部分は読み飛ばすことになるので、大概1-2時間程度で一冊一応読み終わる。しかしそうして読み飛ばした部分というのは、たとえ一字一句正確に語句をひろっていくような読み方をしたとしても、記憶にも何も残らない部分なのである。


さらにいうと、上のプロセスでもっとも脳を使うのは2番目の段階(及びその確認としての3番目の段階)であって、テレビやラジオなどの受動的なメディアでは得られない、読書の醍醐味だろう。
参照⇒

文字媒体からの方が脳を酷使するから
効用が高い(コメント欄)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/